○安産祈願と戌の日
安産祈願(戌の日参り)とは、母子ともに健康で出産できるよう神社へ参拝に行く風習のことをいいます。
多産でお産が軽いと言われている犬は、安産の守り神として親しまれてきました。
また、よく吠えて家を守るため、邪気を祓う意味があると言われています。
その犬にあやかり、安定期に入った妊娠五か月日頃の「戌(いぬ)の日」に、安産祈願をして腹帯を巻く「帯祝い」が行われてきました。
神様にお子様のご無事の誕生を願い、家族みんなでお祝いをしましょう。
○腹帯の意味と巻き方
・帯祝い
安産祈願(戌の日参り)の際には、岩田帯とよばれる腹帯を妊婦さんがお腹に巻く「帯祝い」という行事も行われてきました。
「帯祝い」は古事記の記述が起源だといわれています。
岩田帯を巻くことで「岩のように頑丈な赤ちゃんが育ちますように」という願いが込められています。
・帯の巻き方
腹帯には胎児を保護する意味があるほか、胎児の霊魂を安定させるなど信仰的な意味もあると言われています。
1,肌触りの良いさらしか帯を用意し、半分の幅に折り、端をお腹に当てて巻いていきます。
2,一周巻いたら上方向に折り返して巻いていきます。
※市販のコルセットタイプの腹帯は、同封の説明書を参考にしてください。
○安産祈願はいつ
安産祈願(戌の日参り)は、妊娠五か月目を迎えてから最初の戌の日と言われていますが、それはあくまで目安と考えてください。
安産祈願や帯祝いは絶対に「戌の日」でなければいけないわけではありません。
現代では、妊娠中も仕事を続ける人も多いので、安産祈願の日程は、妊婦さんの体調や仕事の都合などを考えて日程を決めましょう。
令和六年の「戌の日」表
1月 11日(木)・23日(火)
2月 4日(日)・16日(金)・28日(水)
3月 11日(月)・23日(土)
4月 4日(木)・16日(火)・28日(日)
5月 10日(金)・22日(水)
6月 3日(月)・15日(土)・27日(木)
7月 9日(火)・21日(日)
8月 2日(金)・14日(水)・26日(月)
9月 7日(土)・19日(木)
10月 1日(火)・13日(日)・25日(金)
11月 6日(水)・18日(月)・30日(土)
12月 12日(木)・24日(火)
○安産祈願の服装
安産祈願の際の服装は、ラフすぎるのは好ましくありませんが、一般的に失礼に当たらない服装であれば問題ありません。
デニムやTシャツなどカジュアルな服装は避け、男性であればジャケットスタイルなどが無難です。
妊婦さんの場合はご自身が窮屈でないよう配慮し、少しきれいめのワンピースなどを着用するのがよいと思います。
当社ではエアコンを完備していますが(儀式殿の場合)、体温調整しやすい服装を意識して選びましょう。
○安産祈願は誰と行く
安産祈願には、誰と行くか決まりはありません。
現代では妊婦さんだけ、妊婦さんと夫、家族などの少人数で行うことが一般的になっています。
参拝は一人でも問題はありませんが、付き添いがいるほうが安心です。
体調がすぐれないときには、夫や両親などの身内が代理で安産祈願をうけても構いません。
○安産祈願の持ち物
持ち物は、下記を参考に、当日お持ちください。
①初穂料(祈祷料)ー神様にお供えするので、のし袋などに入れます
②腹帯ーお預かりの上、お印をしお祓いいたします
③母子健康手帳など、ふだんの外出時の必携品
他の神社へ参拝の場合は、ご祈祷の撤下品などを入れる手提げ袋を用意したほうが良いかもしれません。(当社では手提げ袋に撤下品を入れてお渡しします)
○安産祈願の流れ
安産祈願の流れは、神社によって多少の違いがあるかもしれませんが、ここでは当社の例です。
①予約
当社は予約制です。ご予約がない場合、神事や行事が重なりお断りしないといけない場合もあります。電話や予約フォームでお問合せください。
②受付
受付で所定の用紙にご記入いただき、初穂料(祈祷料)をお納めいただきます。その後、待合室や境内などで順番をお待ちいただきます。
③ご祈祷をうける
神職が、安産祈願を祈念する祝詞(のりと)を奏上します。ご祈祷にかかる時間は、15〜20分程度です。
④拝礼する
ご祈祷中に、神様にお参りをします。「二礼二拍手一礼)」の作法でお参りいただきます。
②授与品を受け取る
ご祈祷の後に、御神札や御守、絵馬などの撤下品を頂きます。また、預けていた腹帯を受け取ります。
○安産祈願の初穂料
安産祈願の初穂料(祈祷料)は、5,000円~10,000円が相場ですが、神社によって様々です。
当社では、5,000円から7,000円、10,000円、2,000円以上になります。
初穂料により、祈祷日数、御神札、撤下品がかわります。
初穂料はのし袋に「初穂料」と書いて包むのが丁寧です。
○安産祈願の御守
安産祈願の撤下品としていただく御守ですが、どのように身につけるかは、特に決まりはありません。
付けられるところがない、落としてしまうことが心配な場合は、自宅などで御札と一緒にお祀りしていただいても構いません。
身につける場合には、財布やバッグに付ける場合が多いようです。
毎日持ち歩けるため、安心感があります。
また、母子手帳に挟んだり、腹帯に入れたりするのもよいと思います。
御守は出産後に神社に納札するのが一般的です。
神社に納札された後、感謝祭を執り行い、お焚き上げされます。
出産後は体調不良や、生活環境がかわり、忙しくなることも少なくありません。
そのため、納札は出産後すぐでなくても大丈夫です。
初宮詣で参拝の時でも構いません。
○へいし除けとは
「へいし除け」とは、安産祈願に大別されるご祈祷で、「變子」「閉死」などの字があてられます。
岡山県でよく行われているご祈祷ですが、ようは妊婦さんの厄祓いのようなものです。
妊婦さんの年回りによって、「親へいし」「子へいし」などがあります。
最近では気にされる方も少なくなりましたが、気になる方はご相談ください。
○安産祈願の後の行事
・産湯 生後3日目頃
生後3日目頃に、氏神様がお守りくださる土地の水ー産湯で子どもの身体を清め、子どもの発育を願います。
この湯に塩や酒を入れて入ると風邪をひかないともいわれています。
・お七夜 生後7日目頃
昔は子どもが誕生しても、無事育つとは限らなかったことから、「7日目」を大事な節目としてお祝いをしたのが始まりです。
名前を決めて、初めて産着に袖を通すとともに、家の神様に家族の一員としてお守り戴くようお願いをします。
・初宮詣
氏神様に無事の誕生に対する奉告と御礼をし、今後の健やかな成長を見守ってもらうようにと祈願します。
一般的に生後30日前後の良い日を選んでお参りします。
安産祈願のご相談ご予約は
和氣神社
岡山県和気郡和気町藤野1385
(山陽自動車道 和気ICより約10分・藤公園隣り)
電話 0869-93-3910